岡本 朋也(おかもと・ともや)
木彫作家 2023年~
1997年北海道浦河郡浦河町生まれ。父方の家系は様似町にルーツを持つアイヌ。幼少期からものづくりを好み、学生時代は札幌大学「ウレシパクラブ」でアイヌの精神文化に惹かれ、アイヌ語や舞踊を学び、木彫にも挑戦した。大学を中退後、木彫作家を目指す。
2020年から3年間、平取町アイヌ工芸伝承館ウレシパで公益財団法人アイヌ民族文化財団の「伝承者育成事業」5期生として、アイヌ文化の幅広い知識に加え、織りものなどとともに、アイヌ文様の描き方や木彫に必要な知識、技術の基本を学んだ。育成事業の研修で故郷を訪れたとき、講師を務めたのが祖父、故・岡本幸七氏の妹で、様似町のアイヌ文化保存会元会長の熊谷カネ氏。幸七氏が浦河で民芸品店を営み、熊の木彫を作って売っていたことをこの時初めて知り、さらに強く木彫作家を志すことになった。かつて祖父が使っていた彫刻刀を譲り受け、技磨きに励んでいる。
2023年4月からは平取町の地域おこし協力隊員のアイヌ工芸支援員として本格的に木彫に専念、独り立ちすることを目標に活動している。
主にイタ(平たい木製の盆)やマキリ(小刀)、熊などの立体彫りを製作。ラムラムノカ(ウロコ彫り)の正確性や、彫っていない空間を意識している。二風谷は、博物館で名人の作品を見て技法を吸収できるうえに、第一線で活躍する先輩方の工房が集まっているので、訪ねて直接指導を受けられるのも魅力。伝統的な作品をたくさん目で見て自分の中に落とし込み、自分なりの文様をつくれるように努めている。
二風谷は工芸に関心のない人でも非日常を味わえる場所なので、たくさんの方々に来てもらいたいと話す。自身は、将来は祖父、幸七氏の民芸店と同じ「フシコ民芸」の店名で自身の工芸店を開きたいと願う。二風谷民芸組合所属。
●北海道アイヌ伝統工芸展(公益社団法人北海道アイヌ協会)
2023年度 伝統工芸品部門 最優秀賞(北海道知事賞)「子持ちイタ」
2024年度 伝統工芸品部門 最優秀賞(北海道知事賞)「タンパクオプ(タバコ入れ)」
●アイヌ工芸作品コンテスト(公益財団法人アイヌ民族文化財団)
2023年度 木工芸の伝統的作品部門 奨励賞「メノコマキリ / 女性用小刀」
2024年度 木工芸の伝統的作品部門 入選「イタ/お盆」
2021年度 アイヌ語弁論大会(公益財団法人アイヌ民族文化財団)大人の部弁論部門 最優秀賞
STVラジオ「アイヌ語ラジオ講座」令和6年度講師
Ainu Crafts pewre(アイヌ クラフツ ペウレ)
※アイヌ語でペウレは「若い、若者」の意味
〒055-0101 北海道沙流郡平取町二風谷76-6
E-mail: fluffy.zz2528●gmail.com ※●を@に変えて使用してください
Instagram https://www.instagram.com/inuye_nepki/