二風谷イタ 二風谷アットゥ 刺繍 民具 祭具
祭具

パスイ

パスイはアイヌ民族の最も重要な祭具のひとつで、人間の祈り詞の不足を補い、助力してくれる力があるとされています。表面に施される木彫は、周囲の自然からインスピレーションを受けたと思われるものが多くありますが、作者の個性が豊かに表れるため様々なデザインを見ることができます。
日常的に繰り返し使用される「イクパスイ」のほか、カムイノミでは「トゥキパスイ」、熊の霊送りなど大規模な儀礼には「キケウシパスイ」が用いられます。

オッチケ・トゥキ

オッチケは漆塗りの膳で、もとは日本本土から交易などによりアイヌ文化へ持ち込まれたものです。その上に4つ並ぶ「トゥキ」は、カムイにささげるお酒を注ぐ杯として用いられ、どちらも祝いの儀式では中側は赤の漆で塗られたものが使われます。
カムイノミの際にはこのオッチケ・トゥキの上に「トゥキパスイ」と呼ばれる捧酒箸が置かれ、トゥキに注がれた御神酒を先端に付け、カムイへ捧げる箸として用いられます。