貝澤 守(かいざわ・まもる)

木彫作家 1986年~

1965年北海道沙流郡平取町二風谷生まれ。木彫職人であった父、故・貝澤守幸氏の彫刻を見て育つが、12歳のときに父が他界。高校を卒業後、札幌での就職を経て、21歳から二風谷へ戻り本格的に木彫を始め、二風谷の諸先輩の姿を見ながら技を磨き、さらには自身で萱野茂二風谷アイヌ文化資料館などに展示されている古い資料を参考に、先人たちの木彫を学んだ。

現在は顧客の注文に応える形でイタ(木製の平たい盆)やマキリ(小刀)の製作が多いが、同時に伝統的な祭具や、馬やフクロウといった立体彫りも手がける。
古くから守られてきたアイヌ文様の形を崩さずに後世に伝え、技術が途絶えないよう継承することに心を砕いているため、自らの作品も伝統的な様式を基調としている。2013年に「伝統的工芸品」に指定された「二風谷イタ」のつくり手の一人として、その価値をいっそう高めるべく作品のクオリティ向上に努めている。
そのうえで、伝統をふまえたオリジナルの文様を生み出し「自分らしさ」を追求している。2021年には札幌観光バス運行「セタプクサ号」のラッピングを担当するなど、アイヌ文様のデザインも手掛ける。

二風谷の工芸作家で組織する「二風谷民芸組合」の代表理事や、アイヌ工芸の技術伝承の場として整備された「平取町アイヌ工芸伝承館ウレパ」を運営する「一般社団法人びらとりウレシパ」の代表を務めるなど、二風谷アイヌ文化の発展に尽力するとともに、若手工芸作家への技術指導にも積極的に取り組んでいる。

「二風谷アイヌクラフト」のコラボ商品開発プロジェクト(2020年2021年)に参画。

「貝沢民芸」店主。二風谷民芸組合代表理事、伝統的工芸品「二風谷イタ」のつくり手の一人。

公益社団法人北海道アイヌ協会「優秀工芸師」

●北海道アイヌ伝統工芸展(公益社団法人北海道アイヌ協会)(※)
1989年度 優秀賞(北海道教育長賞)
1990、1991、2010年度 優秀賞
1999年度 優秀賞(北海道議会議長賞)
1994、1997、2005年度 奨励賞

※現・公益社団法人北海道アイヌ協会は、2008年までは社団法人北海道ウタリ協会、2009年から社団法人北海道アイヌ協会、2014年からは現在の名称

●アイヌ工芸作品コンテスト(公益財団法人アイヌ民族文化財団)
1999年度 奨励賞
2009年度 木工芸の伝統的作品部門 奨励賞「イタ」
2011年度 木工芸の伝統的作品部門 奨励賞「マキリ(小刀)」
※現・公益財団法人アイヌ民族文化財団には、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構から、2013年に公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構に移行、2018年に改組して現在の名称。

2010年 国土緑化推進機構コンクール・森の伝承・文化部門「森の名手・名人」に道内で唯一選出
2012年~ 二風谷民芸組合 代表理事        

2020年 「伝統的工芸品産業功労者」の経済産業大臣表彰

貝沢民芸
〒055-0101 北海道沙流郡平取町二風谷75-2
TEL: 01457-2-2584

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