貝澤 雪子(かいざわ・ゆきこ)
アットゥシ織り作家 1962年~
1941年北海道日高村(現 沙流郡日高町)生まれ。幼少期より家業の手伝いとしてアットゥシの糸づくりに励み、1960年に木彫作家であった故・貝澤守幸氏と結婚、1962年より二風谷にて木彫りや刺繍など民芸品製作を始める。特にアットゥシ織は、姑で「二風谷アットゥシ織生産組合」の副組合長だった故・貝澤ハギ氏に師事し、以来60年以上にわたり伝統技法を守り続け、後継者の育成に取り組んでいる。
主にアットゥシを製作。オヒョウの樹皮からの糸づくりにはじまり、反物にするまでのすべての工程に携わる。1日10時間以上を費やすことも多いが、織ることは楽しく苦にならないと言う。染色にも手間と時間を惜しまず、アットゥシの糸を身近な花や草木で染めて織るため、植物によって最適な時期を見極めながら、現在もその染料となる植物を採取する。
アイヌの伝統的な衣服に留まらず、和服の帯から名刺入れなどの小物まで、身近にアットゥシ織りを感じてもらえるように様々な作品を手掛けている。草木染めのやわらかな色合いや織りの美しさに惹きつけられたファンは全国に広がる。
二風谷民芸組合所属、伝統的工芸品「二風谷アットゥシ」のつくり手の一人で、伝統工芸士。
2011年 公益社団法人北海道アイヌ協会「優秀工芸師」認定
2021年 伝統的工芸品「伝統工芸士」認定
2011年 アイヌ文化奨励賞(公益財団法人アイヌ民族文化財団)
2018年 伝統文化ポーラ賞地域賞(ポーラ伝統文化振興財団)
北海道アイヌ伝統工芸展(公益社団法人北海道アイヌ協会)
2002年度 伝統工芸部門 優秀賞(北海道知事賞)(2002、2009、2011)
※現・公益社団法人北海道アイヌ協会は、2008年までは社団法人北海道ウタリ協会、2009年から社団法人北海道アイヌ協会、2014年からは現在の名称
アイヌ工芸作品コンテスト(公益財団法人アイヌ民族文化財団)
2005年度 優秀賞(伝統工芸部門)
2011年度 優秀賞(アイヌに関する一般作品部門)(アットゥシ織)
2016年度 入選(アイヌに関する一般作品部門)二風谷アットゥシ帯
※現・公益財団法人アイヌ民族文化財団には、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構から、2013年に公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構に移行、2018年に改組して現在の名称。
2007年度 日本紬織物サミット グランプリ
2008年度 日本伝統工芸染色展入賞 アットゥシ帯「フレプ~赤く染めた物~」
2019年 文化庁長官表彰、北海道文化賞 など受賞歴多数
2023年 瑞宝単光章受章
雪子の店
北海道沙流郡平取町二風谷76-7
連絡先:090-6217-8449(katak×bee)