尾崎 剛(おざき・つよし)
木彫作家 1971年~
1954年北海道鵡川町(現 勇払郡むかわ町)生まれ。兄が熊彫りをしていたことがきっかけで木彫を始める。1971年に平取町二風谷に移住し、木彫家の故・貝澤守幸氏に師事、鮭のレリーフ、メノコ(女)レリーフから彫りはじめ、その後独立した。
主にタシロ(小刀)を代表作とするが、サヨカスプ(※1)やシトペラ(※2)といった民具のほか、カムイ(神)へ祈りを伝えるイクパスイ(捧酒箸)とトゥキ(杯)等の祭具も製作し、伝統文化の継承に努めている。
木彫作品においては、全体の文様のバランスとラムラムノカ(ウロコ彫り)の美しさに気を配って製作している。
木彫の工芸品をつくる傍ら、故・萱野茂氏と道内各地のチセづくりに参加。習得した技術や知識を活かし、頭領として二風谷コタンにおけるチセの再整備に携わっている。
アイヌの伝統をつないでいくために、若手育成に積極的に取り組み、次の世代が安定して生活できる環境づくりを目指している。
二風谷民芸組合所属、伝統的工芸品「二風谷イタ」のつくり手の一人。
※1 サヨカスプ 大きな木製の粥杓子
※2 シトペラ 団子づくりに使う大きな木製のヘラ
2000年 平取町二風谷アイヌ文化博物館事業における「木彫り体験」講師
2009年 平取地域イオル再生事業における「チセ復元指導員」
2011年 社団法人北海道アイヌ協会平取支部チプ複製事業 講師
2023年 アイヌ文化振興公社アシクネチセ改修事業 頭領