坂本 エミ(さかもと・えみ)
アットゥシ織り作家
1972年北海道沙流郡平取町二風谷生まれ。木村民芸を営んでいた祖母である故・木村八重子氏がアットゥシ織りをしていたのを子どもの頃から見て育ち、物心がついたころには糸結びをしたり、糸のばしを手伝ったりしていた。30代後半に、伝統工芸複製助成事業で1年に渡りアットゥシの帯を織りあげるプログラムに参加。講師であった二風谷在住の伝統工芸士にアットゥシ織りを習ったことで、心から興味がわき、現在に至る。
主にアットゥシ織りの作品を製作。糸を極限まで細くすることにこだわり、繊細な織り目の作品づくりを心掛けている。アットゥシ織りは大変手間のかかる作業のため、「好き」であることが継続していくモチベーションであると考えている。材料となるオヒョウの樹皮を藍やクルミで染めるなど染色も手掛け、アットゥシ織りの作品づくりの幅を広げている。
二風谷は、一度は出ても帰りたくなるような場所だと言う。大好きなアットゥシ織りが続けられるのも、この環境に身を置いているからこそ。祖母のようにいつまでも長く織り続けられればと願っている。
二風谷民芸組合所属。
北海道アイヌ伝統工芸展(公益社団法人北海道アイヌ協会)
2023年度 一般工芸品部門 最優秀賞(北海道知事賞)「アットゥシ織り(男帯)」