髙野 啓子(たかの・けいこ)
エムシアッ編み・刺繍作家 1980年~
1953年東京都三鷹市生まれ。19才の時に木彫作家の髙野繁廣氏と結婚。同時に東京から二風谷へ移住し、1980年に高野民芸を創業した。アイヌ女性の手仕事の素晴らしさに魅せられ、移住当初は貝澤れい子氏に手ほどきを受けたが、以降は、博物館の史料を観察したり、依頼を受けた修繕品をほどいたりするなかで研究を重ね、独学で研鑽を重ねてきた。
アットゥシ、チカラカラペ、カパラミプ、ルウンペ、チヂリといった伝統衣装、テクンペ(手甲)、ホシ(脚絆)、エムシアッ(刀下げひも)、タラ(背負い縄)、サラニプ(網状のショルダーバッグ)、チタラペ(ガマの葉で作るゴザ)等を製作している。中でも女性の手仕事ので一番難しいと言われているエムシアッは、木の皮を剥ぎ、糸を作ることから始めて編み上げる。アイヌの伝統工芸、伝統文様に深くこだわり、技法や製作方法を重視し、2004年には「エムシアッの文様調査」研究書を作成するなど、アイヌ伝統文化の探究を続けている。
2021年には札幌観光バス運行「セタプクサ号」のラッピングなど、アイヌ文様のデザインも手掛ける。自らの作品製作の傍ら、アイヌ文化の伝承のため、職業訓練指導員としても後進の指導にあたる。二風谷民芸組合所属。
2000年 公益財団法人アイヌ民族文化財団「伝統工芸家」認定
2006年 職業訓練指導員免許取得
2022年 公益財団法人アイヌ民族文化財団 アイヌ文化奨励賞
北海道アイヌ伝統工芸展(社団法人北海道ウタリ協会 ※)
1993年度 優秀賞「エムシアッ」
※社団法人北海道ウタリ協会は、2009年に社団法人北海道アイヌ協会に名称変更、社団法人北海道アイヌ協会は、2014年に公益社団法人北海道アイヌ協会に移行
アイヌ工芸作品コンテスト(公益財団法人アイヌ民族文化財団 ※)
1998年度 優秀賞(織物・編み物・刺しゅうの伝統的作品部門)(チカラカラペ(子供用))、佳作(チカラカラペ(子供用))
1999年度 佳作(チカラカラペ)、ホシ(脚絆)
※現・公益財団法人アイヌ民族文化財団には、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構から、2013年に公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構に移行、2018年に改組して現在の名称
高野民芸
〒055-0101 北海道沙流郡平取町二風谷78-13
TEL: 01457-2-3585