髙野 繁廣(たかの・しげひろ)
木彫作家 1972年~
1950年東京都日野市生まれ。22歳の夏にヒッチハイクで北海道を放浪中、二風谷に滞在したことがきっかけでこの地で暮らしたいという気持ちが募り移住。貝沢民芸店主だった故・貝澤守幸氏に師事し、アイヌ民芸品製作に携わる。1980年に独立し高野民芸を創業。1990年頃からはアイヌの伝統的な民芸品を専門として製作を始め、現在は妻、工芸作家・髙野啓子氏と共に約200種類のアイヌ民具を手掛けている。
主にイタ(木製の平たい盆)やトゥキ(杯)、トンコリ(弦楽器)を製作。二風谷アイヌ工芸で最も大切にすべきことは、沙流川流域で受け継がれてきたアイヌの伝統や文化であると言う。伝統的なアイヌ民具の製作がこの地でこれからも受け継がれていくことの重要性を、長年伝えている。それは「二風谷はアイヌ伝統工芸だけでよい」と言い切るほどであり、自身の製作においても一彫り一彫りに魂を込め、昔ながらの伝統を頑なに守り続ける。伝統を重んじつつもアイデアを加味した作風が魅力。
2024年には札幌観光バス運行「セタプクサ号」ラッピングデザインを担当。若手の作家や学生たちに木彫を教える機会も多く、伝統の継承に努めている。
高野民芸店主。二風谷民芸組合所属、伝統的工芸品「二風谷イタ」のつくり手の一人。
1997年度 公益財団法人アイヌ民族文化財団 アイヌ伝統工芸家に認定
2003年度 公益財団法人アイヌ民族文化財団 アイヌ文化活動アドバイザー就任
2020年度 公益財団法人アイヌ民族文化財団 アイヌ文化奨励賞
●アイヌ民芸品コンクール(北海道ウタリ協会※)
1979年度 最優秀賞
※社団法人北海道ウタリ協会は、2009年に社団法人北海道アイヌ協会に名称変更、社団法人北海道アイヌ協会は、2014年に公益社団法人北海道アイヌ協会に移行
●アイヌ工芸作品コンテスト(公益財団法人アイヌ民族文化財団)
1997年度 優秀賞(木工芸の伝統的作品部門)(イタ(角盆))/入賞(イタ(丸盆))
2000年度 奨励賞(木工芸の伝統的作品部門)(エトゥヌプ゚ニマ)
2001年度 優秀賞(木工芸の伝統的作品部門)(イタ(丸盆))
2003年度 入選(木工芸の伝統的作品部門)(イタ)
※現・公益財団法人アイヌ民族文化財団には、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構から、2013年に公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構に移行、2018年に改組して現在の名称
高野民芸
〒055-0101 北海道沙流郡平取町二風谷78-13
TEL: 01457-2-3397
Instagram https://www.instagram.com/takanomingei/